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インターネット構造計算受発注システム「構造トレインNZX」

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よくわかる構造計算Understand

地盤  基礎・杭   地震力 風圧力  荷重 
バランス  ルート・適判  狭小は危険?  不整形 計算法 
 木造編 鉄筋コンクリート編  鉄骨編  混構造編  耐震診断編 
このコーナーでは、構造計算を注文される意匠設計者及び、これから建物を建てる建築主で構造に興味のある方が、知っておいた方がいいことをまとめています。簡易な内容なので、詳しくはリンクや参考資料を参考に勉強してみてください。
意匠設計の建築士の方へのアドバイスです
一般の方(診断を受ける方、構造計算の内容を少し知りたい方)へのアドバイスです
耐震偽装事件の頃に概要や法改正などを解説した「構造計算とは?」も参考にしてみてください。
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地盤

地盤は地盤調査で全てわかるわけではない
通常は経済性を優先し、その土地に関する事前情報を元に調査を行う
地盤調査の時期は、建物が建っていると設計時に調査できない場合がある

 建物を建てる場合、通常地盤調査を行います。現在ではすべての建物で地盤調査されています。しかしながら地盤調査は万全なものではありません。また戸建て住宅などでは、設計時に既存の住宅が建ったままの場合も多く、構造設計時に地盤調査データが揃っていないことが多いです。
 地盤調査は建物の種類や、その土地の特性などを考慮し、設計者等が指定します。砂利が多いところに、地面にロッドを差し込むスウェーデン式サウンディング試験は向きませんし、平板載荷試験のみでは、土質がわかりません。地盤や目的によっては複数の検査を併用することがあります。万能な試験方法はありませんし、正直それほど精度が高いわけではありません。そのため基礎や杭の設計では、ある程度安全をみて余裕をもった設計をするのが普通です。
 地盤調査会社によって、機材や人材スキルの差があります。また見えない部分ということもあり価格競争が起こりやすい部分でもあります。

地盤データを元に、構造設計・構造計算を行いますので、できるだけ詳細な地盤調査を行いたいのですが、大規模な建物を除いて、地盤調査費はできるだけ節約する、というのが主流となっています。

地盤調査を行いましたよ!というだけでは安心できません。その内容(適した調査方法の選定と調査の精度)が重要です。

基礎・杭

基礎は、海に浮かぶ船のようなもの
地盤改良したからといって地震に強いわけではない
杭には、地震力を考慮した杭と、地盤改良を目的にしただけの杭がある

 基礎は構造物からの力を地盤に伝え、安全に地面に固定するものです。実際は、土(地盤)を海に例えればわかりやすく、海の上に安全に浮かぶために船が設計されているように、土の上に建物を安全に浮かぶために基礎が設計されるのです。土は硬いというイメージがありますが、重い建物の場合沈んでしまいます。基礎だけでは沈んでしまう場合、地盤改良や杭基礎などを使用して安全に浮かぶようにするのです。
 よってバランスが悪ければ頑丈でも傾いてしまいますし、底盤が薄ければ下からの土圧(海水の圧力に相当)でたわんで、最悪割れてしまいます。もちろん建物が重ければ重いほど沈みやすくなります。船で考えると本当に簡単に基礎のことがわかるようになります。
 基礎には主に、独立基礎、べた基礎、布基礎、杭基礎があります。それぞれ長所・短所がありますので、地盤調査内容と建物の構造・形状によって適した基礎を選びます。最近の木造は、べた基礎か、べた基礎の下に地盤改良を行う方法が主流です。鉄骨造では、独立基礎か、杭基礎が主流でしょう。
 勘違いが多いのが、杭基礎と地盤改良杭です。木造住宅でも杭を使う場合がありますが、それは地盤改良と同等で、沈下を防ぐために多くの杭を基礎の下に打ち込むだけのものが大多数です。
 現在の本来の意味での杭基礎とは、軟弱な地盤上で建物が沈まないようにするだけでなく、地震などの横からの力や回転(せん断力や曲げモーメントなど)に対しても安全を検討し、杭とコンクリート基礎を緊結します。
 木造住宅等で行われる柱状改良や表層改良は、建物が沈まないためには効果がありますが、地震の揺れに対しては、それほど効果がないことがあります。

杭基礎と地盤改良杭の違いを把握しましょう。設計上は全く別物です。

地盤調査と同じく不確定要素が多いので、地盤が悪い場合はできるだけ信頼のある工法で杭や改良を行うほうが良いでしょう。コストだけで比較すると痛い目にあうこともあります。

地震力

建築基準法の地震の強さは、マグニチュードとも震度とも異なる
地震力とは、地震発生時に建物に加わる横からの力(水平力)のことである
建物の耐震性は、大地震と中地震に対して検討する


 よく建物のCMで震度7まで大丈夫!などといっていますが、あれは根拠がありません。なぜなら建築基準法によって建てられている建物は、震度という尺度を使わないからです。建築基準法上での地震の強さはおおざっぱに、中地震と大地震にわけられ、基本的には中地震(中規模地震)に対しては「損傷」しない(一次設計)、大地震(大規模地震)に対しては「倒壊」しないこと(二次設計)を目標としたいわゆる「新耐震基準」がベースとなっています。
 新耐震基準とは、通称で昭和56年に施行された改正建築基準法に基づく耐震基準です。ずいぶん昔だな〜と思われるかもしれませんが、阪神・淡路大震災のときに、新耐震基準以降の建物の被害が少なかったことから、現在も基本的にはこの基準を利用して設計されています。
 一次設計とは、建物が建っている間、数度経験する可能性がある中地震に対して損傷しない設計を目標としています。比較的小さな建物で(木造3階建てなど)構造計算を求められる建物の設計法を刺します。シンプルな計算です。
 二次設計とは、建物が建っている間、一度体験する可能性がある大地震に対し多少の損傷はするが、倒壊しない設計を目標としています。ポイントは部分的には壊れることを許容していることです。保有水平耐力計算などの高度な構造計算が求められます。
 国土交通省では、小冊子などで、中地震を震度5強程度、大地震を阪神・淡路大震災クラスの震度6強から7程度を想定していると説明していますが、建築基準法上では書かれていませんし、関連性も薄いので曖昧だと思います。

震度5強で損傷せず、震度6強から7で倒壊しないというのは目安

建物は大地震によって壊れないことを目的とはしていない

風圧力

地震だけでなく風に関しても安全を確認する
風圧力は単位面積あたりの壁面に作用する風の圧力のことで横からの力(水平力)のことである
地域や属性によって定められている

 建築基準法で定められている構造計算では、地震だけでなく風に対しても安全を確認するように要求されています。風で倒れることなんか・・・と思うかもしれませんが、平安時代の応和2年(962年)8月には、東大寺南大門が台風で倒壊しました。もちろん近年でも台風や突風の被害は多いです。地震と同じく上は無限大(竜巻とか)、すべてから安全を確保するのは不可能なので地震と同じように基準が定められています。
 もちろん台風が直撃しやすい地域は基準が厳しくなっています(沖縄とか)。また地形や都会度や高さなどでも変わってきます。建物は高いほど風の影響を受けやすいです。

台風の影響が大きい沖縄の基準風速は46m、東京の一部は32m。計算式で速度圧を算定すると、他の条件が同じな場合、約2倍の差がでてくる。東京の気分で沖縄で設計するとまったくの強度不足に陥る。

風か地震か大きい方で検討する。普通は地震できまるが、沖縄のような風が強い地域や、風を受ける壁が広い建物などでは風で検討しなければならないこともある。

荷重

構造計算で使う荷重は、固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風荷重、地震荷重、土圧、水圧等である
建物の重さによって地震に対する必要な強度は異なってくる
建物本来の重さを固定荷重、建物内にある人間や家具、物品など移動できるものを積載荷重という

 構造計算は、各荷重を正確に出すことが第一歩で、ここが一番面倒ともいえます。
 そのため構造計算ソフトに各荷重を入力して集計するので便利です。
 とはいってもマウスで入力すれば荷重を全て拾ってくれるほど甘い世界ではありません。

基本的には、上からの荷重は固定荷重・積載荷重・積雪荷重、横からの荷重は地震荷重・風荷重・土圧・水圧です。構造計算では、すべて(積雪がない場合は積雪は不要)について安全を確認する必要があります。

構造計算は、まずこれらの荷重を正しく算出することから始めます。荷重が間違っていれば結果も間違ってしまいます。ここが間違えていれば優れた計算法やソフトも無駄となります。

バランス

建物もバランスが重要です。
水平方向には偏心率、高さ方向には剛性率
バランスが悪いと、建物本来の性能が発揮できず地震などで倒壊しやすくなります。

 建築物は、意匠的にも高さや面積を規制されていますが、構造的にも自由にやっていいわけではありません。
 安全を損なうような構造形態は避けるべきで、ルート2では、偏心率、剛性率の検討が必要です。この二つは建物のバランスの指標であり、偏心率は、平面的なバランス、剛性率は立面的なバランスの指標です。
 ルート1では、法的には必要とされていませんが、バランス良く設計しなくてもいいわけではありません。ルート1でも木造は偏心率0.3以下を求められているし、ツーバイフォーは、壁配置について告示で定められています。4号木造でも、四分割法という方法で、平面的なバランスを検討します。
 バランスが悪いと、地震や風に対して著しく弱くなります。同じ強さの建物でも、バランスが違えば強度も異なります。耐震性を上げるのは、建物の強度を上げるだけでなく、バランスも良くしなければなりません。
 偏心率とは、各階に構成された耐震要素の配置の適正さを判断するための指標で、一般的に0.15以下が求められます。大きければ大きいほど、バランスが悪く、小さいほどバランスが良いことになります。
 剛性率とは、各層の水平方向の変形しにくさが、建物全体の水平方向の変形しにくさの平均と比べて、どの程度かを示すもので、1.0に近いほど良い。1.0より大きければ剛性の強い層であり、1.0よりかなりちいさければ、剛性の低いやわらかい層となる。平均的に60%以上確保できるようにするため、剛性率は、0.6以上にする。ルート2から必要な指標で0.6以上を確保できない場合は、保有水平耐力の計算(ルート3)を行う必要がある。
 強度と剛性は似た用語だが、強度はつよさ、剛性はかたさと覚えると良い。強度は耐えられる力の限度、剛性は、物体の変形しにくさである。


新耐震で規定された比較的新しい指標 偏心率・剛性率は、建物の強度だけでなくバランスの重要さを示したものである。

3階建てくらいまでなら、水平方向のバランスの指標である偏心率を検討しておけば、ほとんどの場合大丈夫。

ルート・適判

ルートとは、建物の規模等で決定する構造計算方法です
適判とは、水平方向には偏心率、高さ方向には剛性率
ルートと適判は厳密には一致しない

 一口に構造計算といっても超高層ビルと木造住宅で同じ基準を適用しないだろうな〜というのは素人でもわかります。建築基準法では、建物の規模等で計算方法を分類しています。ルート1とかルート2などと呼ばれていて、構造計算ルートともいわれています。
 ルート1とは、一番簡単な構造計算の手順であり、いわゆる許容応力度設計です。
 ルート2は、ルート1にバランスの要素や、少しだけ高度な検討を求められます。ルート1より規模が大きな建物に適用されます。ルート2までは一次設計に該当します。
 ルート3とは、ルート1を満足しつつ高度な保有水平耐力計算を行うルートです。いわゆる二次設計です。

 各ルートに適用される条件は、構造種別(木造とか鉄筋コンクリート造とか)で異なります。

 従来は、ルートが違えど基本的に構造屋さんと呼ばれる構造計算を専門に行っている建築士事務所に注文すればいいだけだったのですが、現在では重要度が増しています。ルート2以降(特例あり)は、適判(構造計算適合性判定)と呼ばれる判定を、通常の確認申請の構造審査の他に受けなければならないのです。時間もかかりますし、何よりも適判料金も高額です。ギリギリでルート境界付近である場合は、施主と相談して小さくし、ルート1にする、なども作戦の1つです。
 また、適判案件は原則構造設計一級建築士の関与が義務づけられています。小型物件のみを行っている構造屋さんではできない、もしくは外注に出して見てもらうこともあります。

ルート1は、建築士なら誰でも設計できる(はず)が、基本的に構造屋さんに依頼する。

適判は時間とお金がかかる

狭小は危険?

流行の狭小建築物は、余力が少ないので構造的には不利に働く場合が多い
杭などの設計もシビア。転倒は要注意
木造の狭小は特に危険。きちんと構造設計されてないケースも

 一般的に狭小住宅や狭小ビルは、耐震的には非常に不利な形状です。風にも弱いです。
 見た目にも倒れやすそうに見えますが、実際その通りで不安定な形状です。
 どうしても敷地などの問題で建てる場合は、狭小の設計になれた設計者、狭小の設計になれた構造設計者、狭小の施工になれた施工者に依頼しましょう。
 坪単価とみた場合、非常に不利です。なぜなら狭小住宅であろうと、普通の住宅であろうと金額がかかる設備の数は基本変わらないからです。また施工にかかる手間も逆に増えたりもします。
 特に木造は構造設計を疎かにして建てる業者、設計者がいるので要注意です。最悪揺れに悩まされたりします。

コストダウンのために狭小、という考え方は向かない。構造部材でも確実に坪単価は不利。ただ大幅に小型化すれば総経費は安価になるのはいうまでもない。

そもそも狭小はコストパフォーマンスが悪く、安全で快適な建物は建てにくい

不整形

立面的不整形と平面的不整形
異種構造を混合すると危険な場合も
不整形な建物は地震や風に弱いだけでなく欠陥が生まれやすい

 不整形とは、建物の形が不整形という意味で、三角形の建物やL型の建物、1階より2階のほうが広い建物などがあります。
 平面形状が変な形のものを平面的不整形、横から見て、立面的に凸凹が多かったり、1階より上階が大きかったりする(バルコニーや軒先は除く)ものは、立面的不整形といいます。
 さらに異種構造を組み合わす(木造とRC造とか)を弱点が露呈しやすく設計・施工には最新の注意が必要。
 不整形な建物は、一般的に構造設計しにくく、建物弱点が生まれやすい。


不整形な建物は安全を確保しにくいだけでなく、コストもアップする。何かそれ以上のメリットがないかぎり、設計すべきではないが、それ以上のメリットがある場合は、構造設計者と早期から打ち合わせてできるだけ安全な設計になるよう考慮すべき。

そもそも不整形は住みにくい

計算法

壁量計算は構造計算とはいえない
低層の建物は許容応力度計算、中高層になると保有水平耐力計算
高層になると時刻歴応答解析

 木造で一般的に行われる、壁量計算は簡易な計算であり、厳密にいえば構造計算とはいえない。
 小さな建物では、構造計算が不要だが、行っても良い。
 比較的低層の建物で構造計算が必要な場合、一般的に許容応力度計算を行う。
 規模が大きくなると、高度な構造計算が必要となる。比較的高層になると保有水平耐力計算という高度な計算が必要となり、審査も適合性判定機関の審査が必要となる。
 60m超の建物は、時刻歴応答解析が必要となる。
 一般的に構造計算ソフトを利用して計算する。

構造計算の方法の選択は、建物規模などで決まるので、事前に調査するか?構造屋さんに確認しておく。計算方法が異なると計算する期間や、確認申請にかかる機関が大幅に変わる。

木造の壁量計算は簡易な方法であり、梁や柱の計算は行っていない。

information

構造トレインNZX
[株式会社なまあず本舗設計室
GOTO建築設計事務所]

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