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インターネット構造計算受発注システム「構造トレインNZX」

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よくわかる構造計算 耐震診断編Understand

診断の流れ 診断の種類 用語 結果の見方 金額
耐震改修促進法 現地調査 計算内容 構造計算との違い 助成制度
耐震診断ソフト 木造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造 補強設計
よくわかる構造計算の耐震診断編(木造、鉄骨造・鉄筋コンクリート造)です。構造計算は本編をご覧ください。
木造は、木造の部分にまとめて書きます。

意匠設計の建築士の方へのアドバイスです
一般の方(診断を受ける方、構造計算の内容を少し知りたい方)へのアドバイスです
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工事中

診断の流れ

木造とRC造・S造は調査方法がだいぶ違う
木造の調査は安価だがRC造・S造は費用が高い
共同住宅はなかなか診断できない

ケースによって異なりますが、概ね次のような流れで診断します(S造・RC造)。

1:図面の調査・診断の可否の判断・診断レベルの設定
2:予備調査・見積・契約
3:現地調査及びコンクリート等の調査
4:モデル入力
5:解析・計算書の作成
6:評定
7:完了

 木造の場合と異なり、長期間かけて行うものであり、調査人数も調査会社数も木造とは比較になりません。
 通常、依頼者より相談があった場合、図面や写真から診断可能可動か?補助金が使えるかどうか?など事前にチェックします。またヒヤリングにより、建物と図面の相違や、検査済書がおりているか?検査済書がおりたあとに、増築などをしていないか?など確認します。依頼者の目的により、一次診断、二次診断、三次診断といった診断の種類を選定します。
 次に予備(現地)調査を行います。やはり見てからでないと調査方法などが特定できないことが多いので、現地を見せて頂き、調査方法などを確定し、見積を行います。コンクリートの調査や、超音波調査は通常調査会社に外注しますので、その内容もここで決定します。
 見積後、契約を結んだら現地調査を開始します。現地調査は主に図面との相違点を探し、部材が健全かどうか?外部より目視で確認していきます。別途調査会社により、コア抜き、超音波調査など建物内部の状況を調べる調査を行います。
 現地調査内容と、調査会社から上がってきたデータをまとめ、耐震診断ソフトに入力します。
 ただ入力すれば終わり、というわけではなく、「工学的判断」が必要となります。また耐震診断ソフトでは作成できない、図面や計算書をたくさん作る必要があります。
 完成したら、第三者機関に提出して評価を受けます。原則面接なので口頭での説明能力も求められます。クリアすれば完了です。

構造計算の知識は必須ですが、それだけではなく高度な診断の技術が必要な業務です。

入力すれば出てくる、といった簡単なものではないので、非常に多くの時間がかかります。

診断の種類

一般財団法人日本建築防災協会がマニュアル等を発行している
一次診断、二次診断、三次診断
木造は一般診断法と精密診断法がメイン

 耐震診断は、主に旧耐震基準で設計施工された現在の耐震基準に満たない建物を、現行基準の耐震性があるかどうかを確認する診断です。日本においては、一般財団法人日本建築防災協会(以下建防協)が、国土交通大臣から耐震改修促進法に基づく耐震改修支援センターとして指定されており、耐震診断のマニュアルの発行や、講習会の実施などを行っています。
 よって公的な助成金などが出る診断については、建防協のマニュアルに従って行う必要があります。
 鉄骨造や鉄筋コンクリート造は第一次診断〜第三次診断まであり、数字が大きくなるほど精密で計算の難易度もあがります。
 第一次診断は、各階の柱と壁と支える建物重量から計算する非常に簡便な方法で、壁式鉄筋コンクリート造等の壁が比較的多い建物に向いています。図面が残っていれば比較的短時間で計算できます。反面、補強設計を行うには材料・精度不足です。補強を考えるなら二次診断から、となります。
 第二次診断は、一番ポピュラーであり、公共建築物などでも利用され、助成金対象となる診断です。耐震補強にも向いています。柱と壁の終局耐力を計算して支える建物荷重と比較する計算方法です。梁は考慮しません。
 第三次診断は、2次診断では考慮しなかった梁も考慮して計算します。構造計算でいうルート3の保有水平耐力計算と同等レベルの計算です。ほぼ構造計算と思っていいでしょう。
 
 木造では、一般診断法と精密診断法がメインで、一般診断法は地震に対して安全かを確認するもの、精密診断法は、耐震補強の材料を集めるため精密に診断するものです。細かい分類がありますが、ここでは割愛します。
 

建築防災協会のマニュアルに準じた診断が主流。

数字が大きいほど精密度があがります。一般的に梁は地震で壊れないことから二次診断がメインとなります。

用語

難しい用語が一杯!
専門的に使いこなすには難しい用語も把握するだけならそれほどでもない
IS値、耐震基準、調査方法などは把握しておきましょう

・IS値
 IS値とは、「構造耐震指標」
 建物の耐震性を示す代表的な数値。評点といえばIS値!
 一般的な目安は0.7以上(一次診断では0.8以上)

・CT×SD値
 CTとSDをかけあわせたもの
 主にRC造で利用
 CTとは、累積強度指標
 SDとは、形状指標。
 IS値と合わせて、建物の耐震性を示す数値。IS値が高くてもCT×SD値が低ければ、安全とはいえない。
 一般的な目安は0.3以上

・q値
 保有水平耐力に係わる指標で、地震等に建物が耐えることができる強さ。
 主にS造で利用
 一般的な目安は1.0以上

・靭性型、強度型
 建物の地震に対する挙動によって、主に粘り強さで対抗するものを靭性型、固さで勝負するものを強度型といいます。その中間を靭性・強度が型ともいいます。
 靭性型は、強度は小さいものの、粘り強さが大きく変形が大きくなっても倒壊しにくいです。強度型は、強度が強いため変形しにくいですが、ある程度の強さを加えると一気に崩壊してしまいます。よって両者を平等に評価するのが難しいので分類しています。


・新耐震基準・旧耐震基準
 1981年の建築基準法施行令の大改正によって、構造設計は大幅にリニューアルし一次設計・二次設計などが導入されました。ここから大きな意味では変更がないという意味で、それ以降の設計を新耐震基準といいます。よってそれより前の基準を旧耐震基準といいます。
 阪神淡路大震災で、旧耐震基準の建物の倒壊が、新耐震基準の建物よりも格段と多かったことから、新耐震基準は妥当とし、旧耐震基準の建物は耐震診断を行い、補強を行う、という流れができました。現在も耐震診断や補強の助成金が1981年以前の旧耐震基準の建物に限られているのはそのためです。

・外注、協力事務所
 木造の耐震診断を除き、耐震診断は複数人、複数企業で行うのが一般的です。特にコンクリート強度の調査や鉄筋の位置の調査は効果な調査機器や測定機器が必要となるため、一般的な設計事務所は持っていません。よって耐震診断を行う事務所が、それらの調査を外部の企業に外注することになります。
 また入札などでは、総合的な設計を行う事務所が入札し、計算部分を構造屋さんに外注することが一般的です。この場合の協力してくれる事務所を協力事務所と呼ぶ場合があります。
 それぞれの専門性を活かし、より良い診断を低価格でできるように努力した結果ではあるのですが、如何せん耐震診断の価格は高すぎるな〜と感じます。

・RC・S・W・WRC
 RCは鉄筋コンクリート造、Sは鉄骨造、Wは木造、WRCは壁式鉄筋コンクリート造を指す場合が多い。

・コンクリート強度調査

・中性化試験

・超音波調査

・アスベスト
 鉄骨造で図面にアスベスト関連の記述があったら要注意。また1980年代前半までは、アスベスト含有材料を使っているケースが多いので要注意。言うまでも無く人体に有害で、解体時には特殊な除去が必要で費用が跳ね上がる。ただアスベスト系の材料が図面にあっても実際は施工していない場合もある。アスベストがあると調査費や補強費は跳ね上がるので要注意。診断前にアスベストがあるかどうか?調査を行う。
例)アスベストン、トムレックス、ヘイワレックス等(これらの名前があっても実際は他の物の場合もある)


一般の方と同レベルでは建築士としての資質が問われますので、最低限上記の用語は把握しておきましょう。

難しい診断用語は特に覚える必要はないので、専門家に結果をわかりやすく解説してもらいましょう。

結果の見方

木造では上部構造評点とコメントを重視
RC造・S造では、IS値、CT×SDが重要
その他難しいことは技術者から直接説明を受けましょう

膨大な耐震診断書類に目を通すのは事実上不可能です。大部分は図面や計算なので、結果を読み取ることが大切です。

 木造の場合は、比較的簡単で、上部構造評点が、各階各方向毎に出ているので、すべてが1.0を超えていれば、とりあえず安心いえます。ただし、全体の評点ではないので、基礎などはコメントで表記されています。必ずコメントを読むようにしましょう。通常の木造耐震診断の場合、総合所見という場所に全体的なコメントが書いてあります。

 鉄骨造・鉄筋コンクリート造の場合は、もう少し複雑です。ただ木造の評点に近い考え方なのが、IS値(耐震指標)で、基本的に0.6以上(一次診断は0.8以上)あれば、比較的安全といえるでしょう。木造と差がありますので、注意しましょう。
 ただし、ISが0.6を上回った場合でも、建物の特性(粘り強さとか)が違うと壊れやすいということもいわれています。そのため、建物形状や累積強度の指標に関する判定基準を設けており、ISが0.6以上であり、CT×SD値が0.3以上であれば比較的安全といえるでしょう。

木造に比べRC造・S造は非常に複雑

木造とRC造・S造で数字の持つ意味が違うので混同しないこと

金額

木造の診断は比較的安価だが、精密に行うと高い
S造はアスベストなど調査の邪魔になる要素が多い
図面・構造計算書がないと、非常に高額になる

 木造の場合、耐震診断費0円という広告もあります。これは比較的安価な1人で数時間でできる耐震診断を実施しているということ以外に、木造は耐震性能が全般的に低く耐震診断がリフォームや耐震補強の良い「営業活動」になるからです。それを除外しても1人で数時間調査し、耐震診断ソフトに入力し帳票を作り報告する・・・という作業だけであれば、10万円を切ってきてもおかしくありません。
 しかしながら、見落としなどが怖いし、一部を破壊したりして(もしくは畳などを上げて)調査する精密診断法の場合は、2人以上の技術者で行う事が一般的であり、時間も図面生成にも時間がかかりますので、15万円以上、場合によっては20万円以上になります。木造3階建てともなると更に特殊で、構造計算書などの読み込みや理解が必要なので、一般的に30万円を超えてくることが多いです。

 鉄筋コンクリート造や鉄骨造は、原則1人で調査はできません。目視検査は規模によっては1人でできる場合もありますが、通常はコンクリートなどの調査・検査を行う専門業者が加わります。この検査の金額が耐震診断の価格をつり上げているのですが、特殊な装置や機械が必要で、検査機関にも出さなければならないので、ぼったくりではないようです。

木造は営業行為がほとんど。しっかりやればやはりそれなりの金額が必要

鉄筋コンクリート造や鉄骨造の耐震診断は基本的に少なくとも50万円以上はかかると思ったほうが良い。一般的な建物では100万円以上と非常に高額

耐震診断促進法

正式名称は、建築物の耐震改修の促進に関する法律
平成25年に大きく改正された
阪神大震災を契機に作られた法律


 阪神大震災の被害と教訓を元に1995年に定められた「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(以下耐震促進法)。根本的な考えは、1981年に定められた新耐震基準以降で作られた建物は阪神大震災でも被害が少なく、それ以前とは差が大きかったことから、新耐震基準は概ね妥当で、この基準を満たさない建築物について耐震診断や改修を進めていこうというものです。
 2005年の改正では、耐震診断改修の数値目標を盛り込んだ計画の作成を都道府県に義務づけさせ、2013年の改正で耐震改修計画の認定基準の緩和を行い、容積率・建ぺい率の特例を設け、耐震改修を行いやすい「アメ」が定められました。また耐震性に係わる表示制度として、「基準適合認定建築物マーク」を設け、耐震性が確保されている旨の認定を受けた建築物は、マークを建築物等に表示できるようになりました。

診断等が義務づけられた反面、容積率や建ぺい率の特例を受けられるといったメリットも定められた。

比較的大きな建物は、耐震診断及び診断結果の報告が義務づけられています。

現地調査

基本は図面と現状との照合と劣化部分の発見・記録
目で見てわからない部分は、専門業者による精密調査を行う
工事中

 耐震診断で一般的にお客様の目に映る部分は、現地調査のみです。
 基本資料の整理、予備調査などが終わったら、現地調査を行います。
 一番大事なのは、図面と現状との照合です。実際の建物と構造図が違うなんてことは意外と多くあります。よってまずは図面通り施工されているか?確認します。違う場合は記録し、後日修正して作図します。
 鉄筋コンクリートは、コンクリートのクラックや異常な箇所を記録していきます。目視ではわからない内部配筋やコンクリート強度は、調査会社に外注し、調査してもらいます。その際、予め調査できるポイントを指示し、当日調査がスムーズにいくように、調査会社と打合せをします。

現地調査の精度で診断の精度が決まってきます。

現地調査は意外と時間がかからない。他の作業のほうが時間がかかります。現地調査が早く終わったからと言って結果が早くでるとは限りません。

計算内容

一次診断は、簡単。簡易診断ともいう
二次診断は、非常に高度。
三次診断は、ほぼ構造計算と同じ

 一次診断は、非常に平易の内容なので、一般的な建築士でも十分理解できると思います。
 二次診断からは非常に高度です。建物の形状を素直に正直に耐震診断ソフトに入力すれば出てくる・・・というわけにはいきません。耐震診断ソフトで集計できるのはISや荷重だけ!といっている構造屋さんも多く、特に鉄骨ではほとんどの部分が手計算!なんてことも現実には起こりえます。
 三次診断は、保有水平耐力計算とほぼ同等です。現地調査を十分に行って精密に出したい場合利用します。
 二次と三次の違いは、梁の計算をいれるかどうか等です。過去の震災では梁が柱より先に崩壊することは少なかったため、二次診断で十分、という意見が多数聞かれます。よほど梁に無理がかかる設計にならない限りは、確かに二次診断で十分と感じます。

構造計算の知識が必要だが、構造計算とは異なった用語やルールがあるので注意!

はっきりいって計算部分を見て理解するのは建築士でも無理。結果をどう読み取るか?が大切。

構造計算との違い

耐震診断と構造計算は大きく異なる
新築は構造計算、既存建物は耐震診断
構造計算と、第3次診断は比較的よく似ている


 構造計算と耐震診断はよく似た概念ですが、実際は違います。耐震診断は地震に対して安全かどうかを確認しますが、構造計算は、長期的な安全性や風や雪を受けた場合も検討します。

耐震診断は、雪や風や長期の検討は行わない

既存建物は構造計算ではなく耐震診断を依頼する

助成制度

耐震診断・補強には「なぜか」助成制度がついてまわる
木造住宅の耐震診断・補強と大型のRC造・S造に分けられる
二重取りが可能な制度もある


 木造では、自治体により助成金額は異なるものの、多くの自治体で診断や補強に助成金をだしています。一般的には戸建て住宅がメインです。
 良く考えれば、国や自治体がが個人の財産に助成金を出すというのは変な話しです。特に木造だけが優遇されているようにも見えます。
 エコポイントも耐震化で補助金がでていました。本来は両取りは良くないと思うのですが、実際的には可能だったようです。
 ただし木造レベルですと、助成金額もあまり多くありませんし、業者としたら手間が大幅に増えるので、そちらに充当して、実際はあまり得にならないケースも散見されます。助成金を前面に出している業者は要注意です。
 逆に不利に思えるのが、RC造やS造の戸建て住宅です。ほとんど助成金がないですし、実際は危ない住宅はかなりあります。また小型の住宅でも費用がかかるし、実施している事務所はほとんどないので、ので実は一番耐震化が進んでいないかもしれません。
 学校など公共建築物は耐震化が進んでいます。民間建築物でも病院や雑居ビルなどは比較的耐震化が進んでいます。これは助成金がでているからです。耐震診断・補強工事は非常に高いのですが、高額の助成金を出す自治体もあります。特に東京都は、指定された道路沿いの一定規模の建物は、診断は原則無料、補強もかなりの助成金が出ます。また自治体も建物の持ち主に積極的に診断を呼びかけていることもあり、実施する人が増えています。
 

診断・補強の助成金は手間がかかるのも事実。その代わり信頼性が高くなると言うメリットも

お得だけを追求するのは問題。助成金を取るということだけでビジネスしている業者もいるので要注意

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